尾崎の誤算
2023年12月14日
診療終了後の一幕。
受付の女の子にいつものように筋肉の成長を褒めてもらいたくて語り出す俺。(最近は筋肉ハラスメントと言われている)
そして当然の如く軽くあしらわれる。
ここまではいつもと何ら変わらない日常。
あしらわれた俺はその子に「腕相撲やったら分かるから、俺と勝負しよう」と言った。
もはや筋トレの成果など関係ない。
男女の絶対的な力の差を無視した勝率100%の提案。
そんな提案、5歳児でも断るだろう。当然、嫌ですとの返答。
「じゃあ僕とやりましょうよ。」
この会話を聞いていた新人の尾崎が勝負を仕掛けてきた。
俺の細い腕や身体を見て勝てると踏んだのだろうがあいつは馬鹿だ。
小学生の頃から高校まで野球一筋。ポジションもキャッチャーで体格も俺より一回りデカく、前腕に至っては2倍近く太い。
方や俺は陸上をしてたくらいでそれ以外に特筆すべき事はない。細めの最近筋トレ始めて勘違いしちゃった奴だと思われてる。
こう書くと圧倒的に尾崎優勢に見えるが、実はそうじゃない。
俺は腕相撲が強い。人並み以上に強い。何故かは知らない。
それをあいつは知らなかった。人を見た目で判断し、見誤った。
結果から言うと、しっかりぶっ倒した。
相当悔しかったのかな?ちょっと泣いてた。
その後に「来年には俺勝ってますからぁ!」
って言ってた。ちょっと可愛かった。
彼が成長するように、俺も成長していくので
この差をどう埋めてくるか今から楽しみである。