よもやま話 その12
2026年05月20日
後部座席の扉を開けて父親にここまで連れてきてくれたことに感謝を述べた戦場ヶ原は阿良々木くんを外へ連れ出します。
今、自分がどこにいるのかも分かっていない阿良々木くんは特に何を説明されるわけでもなく頭を戦場ヶ原に押さえつけられたまま『とある場所』まで連れて行かれます。
草木が生い茂る道を進んだ先にある少しだけ開けた場所
シートが広げられており、その場所についた阿良々木くんは戦場ヶ原から「そこに目をつぶったまま横になりなさい」と言われます。上手く自体を飲み込めていない阿良々木くんは戦場ヶ原の言う通りにします。
「目を開けていいわよ」
戦場ヶ原にいわれて目を開けた阿良々木くんの眼前に広がったのは語彙力を失ってしまうほど綺麗な満天の星空でした。
そんな星空に心を奪われていた阿良々木くんの横で戦場ヶ原はおもむろに空を指さし
「あれがデネブ。アルタイル。ベガ。有名ななつの大三角ね。」
と星座の話をし始めます。
一通り星座の話をした後に一呼吸おいた後に戦場ヶ原は阿良々木くんに対してこう言います。
「これで全部よ。勉強を教えてあげられること。可愛い後輩(ここで可愛い後輩というのは神原駿河のことを指します)と、ぶっきらぼうのお父さん。それにこの星空。私が持っているのは、これくらいのもの。私が阿良々木くんに挙げられるのは、これくらいのもの。これくらいで、全部。」
「厳密に言えば毒舌や暴力、そして自身の肉体もある。」
と冗談交じりで話した戦場ヶ原ですが、この言葉にはまだ続きがありました。
それは自分が過去に経験したトラウマであり恐怖。
彼女の母親が嵌ってしまった宗教団体の幹部に強姦されそうになった戦場ヶ原はこの出来事がトラウマになっており、同時に恋人になった阿良々木くんといざそういう場面に陥ってしまったと考えると怖いと思ってしまうのが本音でした。
ただ、その行為が怖いと思うことではなく結果として阿良々木くんのことを嫌いになってしまうかもしれない自分が怖い、という感情も同時にあり
「私は今、阿良々木くんを失うのが怖い。」
という言葉でこの会話が終わります。
この言葉を聞いた阿良々木くんはなにか言うわけでもなくそっと戦場ヶ原の手を握ります。
そして戦場ヶ原は今まで幸福な人生ではなかったけれど、不幸だったからこそ阿良々木くんと出会えたのであればそれで良かったと思えるくらい阿良々木くんが好きなことを伝えます。だから、この抱えているトラウマ(怖さ)をすぐに克服することが出来なかったとしてもいつかはなんとかすることを約束した上で
「阿良々木くんにあげられるものはこれが全て」
と話したのです。
その後、星空を眺め続けながら戦場ヶ原は唐突に
「キスをします。違うわね。こうじゃないわ。キスを・・・
キスをして・・・いただけませんか?キスをし・・・したら・・・
どうな・・・です・・・。
キスをしましょう。阿良々木くん。」
相変わらず頼み事が下手な戦場ヶ原ではありますが、その後二人は静かに見つめ合い、この初デートは二人にとって記念すべき日になるのでした。
化物語 第12話 つばさキャット その貮の名シーンを抜粋させて頂きました。
シリーズ屈指の名シーンとも名高いこの回ですが、この話とsupersellさんの歌う君の知らない物語の歌詞とリンクしていることをご存知でしょうか。
化物語以降、様々な物語シリーズが映像化されていますが自分は化物語のこの回が一番気に入っていいます。もしまだ未視聴の方がいらっしゃればぜひ一度視聴してみててください。
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